Monthly Archives: 5月 2010

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K100DにSMCタクマーの50/1.4装着。ちょっと絞れば中々やるなー。

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法蓋山東光寺

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葡萄の葉っぱも伸びてまいりました

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さて冲方丁の「天地明察」。既に読み終わって2ヶ月は経つのですが、、本屋大賞で第1位も獲得し、ふむふむ彼もようやくメジャーになってきたかという流れなので一応記しておこうと思う。
簡潔にいうと面白かった。非常に面白かった。是非とも人に勧めたい作品だった。
読み終わって2ヶ月経つけど、その残り香はまだ心の奥底にくすぶっています。
彼の過去の作品、特に「ばいばい、アース」の時にも非常に強く感じたのだが小説の中に世界観を構築する力は素晴らしいと思う。どんな小説でもその世界にタイムスリップしたような印象を読者に与えることは話にのめり込ませる為には必要なことなのだろうけれども、今回の「天地明察」でも読んでいて江戸時代の風景が頭の中に浮かび上がってきた。そこに生きている人物があたかも実際に目の前で動いているような印象。他の著者の小説でもそういうことはあるのだけども、冲方丁の作品では何かの色のベールがかかったような感じ(それがその著者の味なのかもしれないけど)ではなくて、無色透明、まさに空気感が伝わってくるそんな感じがした。「ばいばい、アース」ではファンタジー?、「マルドゥック・スクランブル」ではSF?、今回は時代劇という訳で、この人は主題さえあれば、なんでも書けるんだろうなぁと思う。
これからの作品も楽しみ。でも知名度があがってちょっと寂しい感じです。
いずれこれだけ話題になれば、実写化/アニメ化と誰かが食いついてくるのだろうけども、何が何でもまずは文章で読むことをオススメします。実写化/アニメ化する場合にはその制作者には配役や脚本をじっくり考えてから制作に入ってもらいたいと思う。

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村上春樹の「スプート二クの恋人」を今読み終わった。
初村上春樹となったこの作品。まぁラブストーリー。表面的なことをいうと面白かった。前にも書いたけど、文章は読みやすいし、展開は面白いし、現実にはいろいろとあり得ないのだろうけど、ストーリーも特に疑問はなく引き込まれた。人物の心象描写も感情移入しやすい。
特に語り手の男性には個人的に感情移入してしまう。似たような経験(経験と言えるほどのものではないが)を積んできたのかな。うーんこの点はあまり深く考えたくない。それにこれ以上いろいろと考えると今晩見る夢が鬱展開になりそうだ。
さて元は1999年に刊行された本(自分が大学生の頃か…)なのだけど、2010年の今、10年前ということですがそんなに時代遅れの感じはしない。むしろ何というか懐かしい? と言うよりいや当たり前の雰囲気を感じる。何となく考えていることがしっかりと書けないのだけど。どことなくこの作品の血は現代の作品に普遍的に流れているような感じがする。この作品が本の歴史の中でどのような位置づけになっているのかとか全然わからないのだけど。
自分は新海誠のアニメ作品の数々が堪らなく好きなのだけど、似た空気を感じる。
(文章書き終わった後で調べてみたら、やはり新海誠作品には村上春樹の影響があるらしい。)
そんな所でしょうか。巷では改めて言うまでもなく「1Q84」がベストセラーのようです。先日ラジオでどっかの大学の教授が理路整然と村上春樹作品について論説していましたので、「みんな騒いでいるけど、村上春樹ってどうなのよ」と考え、反骨精神満々で読んでいたのにここまで素直に良いと思えるとは村上春樹って世の中で言われているだけあってさすがですという印象。引き続き彼の他の作品を読んでみたいという気にさせられました。
さて次は何を読んでみるかな。ちょっと楽しみ。