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村上春樹の「スプート二クの恋人」を今読み終わった。
初村上春樹となったこの作品。まぁラブストーリー。表面的なことをいうと面白かった。前にも書いたけど、文章は読みやすいし、展開は面白いし、現実にはいろいろとあり得ないのだろうけど、ストーリーも特に疑問はなく引き込まれた。人物の心象描写も感情移入しやすい。
特に語り手の男性には個人的に感情移入してしまう。似たような経験(経験と言えるほどのものではないが)を積んできたのかな。うーんこの点はあまり深く考えたくない。それにこれ以上いろいろと考えると今晩見る夢が鬱展開になりそうだ。
さて元は1999年に刊行された本(自分が大学生の頃か…)なのだけど、2010年の今、10年前ということですがそんなに時代遅れの感じはしない。むしろ何というか懐かしい? と言うよりいや当たり前の雰囲気を感じる。何となく考えていることがしっかりと書けないのだけど。どことなくこの作品の血は現代の作品に普遍的に流れているような感じがする。この作品が本の歴史の中でどのような位置づけになっているのかとか全然わからないのだけど。
自分は新海誠のアニメ作品の数々が堪らなく好きなのだけど、似た空気を感じる。
(文章書き終わった後で調べてみたら、やはり新海誠作品には村上春樹の影響があるらしい。)
そんな所でしょうか。巷では改めて言うまでもなく「1Q84」がベストセラーのようです。先日ラジオでどっかの大学の教授が理路整然と村上春樹作品について論説していましたので、「みんな騒いでいるけど、村上春樹ってどうなのよ」と考え、反骨精神満々で読んでいたのにここまで素直に良いと思えるとは村上春樹って世の中で言われているだけあってさすがですという印象。引き続き彼の他の作品を読んでみたいという気にさせられました。
さて次は何を読んでみるかな。ちょっと楽しみ。

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