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さて冲方丁の「天地明察」。既に読み終わって2ヶ月は経つのですが、、本屋大賞で第1位も獲得し、ふむふむ彼もようやくメジャーになってきたかという流れなので一応記しておこうと思う。
簡潔にいうと面白かった。非常に面白かった。是非とも人に勧めたい作品だった。
読み終わって2ヶ月経つけど、その残り香はまだ心の奥底にくすぶっています。
彼の過去の作品、特に「ばいばい、アース」の時にも非常に強く感じたのだが小説の中に世界観を構築する力は素晴らしいと思う。どんな小説でもその世界にタイムスリップしたような印象を読者に与えることは話にのめり込ませる為には必要なことなのだろうけれども、今回の「天地明察」でも読んでいて江戸時代の風景が頭の中に浮かび上がってきた。そこに生きている人物があたかも実際に目の前で動いているような印象。他の著者の小説でもそういうことはあるのだけども、冲方丁の作品では何かの色のベールがかかったような感じ(それがその著者の味なのかもしれないけど)ではなくて、無色透明、まさに空気感が伝わってくるそんな感じがした。「ばいばい、アース」ではファンタジー?、「マルドゥック・スクランブル」ではSF?、今回は時代劇という訳で、この人は主題さえあれば、なんでも書けるんだろうなぁと思う。
これからの作品も楽しみ。でも知名度があがってちょっと寂しい感じです。
いずれこれだけ話題になれば、実写化/アニメ化と誰かが食いついてくるのだろうけども、何が何でもまずは文章で読むことをオススメします。実写化/アニメ化する場合にはその制作者には配役や脚本をじっくり考えてから制作に入ってもらいたいと思う。

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