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最近読んだ本について投稿していませんでした。
とはいえ最近はあまり読んでいません。佐藤賢一の「双頭の鷲」を読んでいたのですが、面白いのですが3分の1くらいの途中で止まっています。精神的余裕がないわけでもないのですが、物語の背景の。フランス国史に予備知識が少ないのでそれを学んでからとどこかでストップをかけていると言うのはあるかもしれません。
何せ僕は興味のないものは全くページが進まないものですから。今までに我輩は猫であるを4ページ以上読めた試しがありません。エライ人におこられそうですが。
というわけで話はそれましたが、今回の本は読後 、数ヵ月いや半年以上経っているかもしれません平山優の「天正壬午の乱」です。時間が経っているんで記憶が曖昧な点もあるかもしれません。
さて、天正壬午の乱とは戦国時代、甲斐、信濃など武田氏統治領が武田氏滅亡後、織田家の統治時代を経て、信長が本能寺にて討たれた後、上杉、北条、徳川の3勢力によるこの地の争奪戦のことを言います。ふぅ、長かった。
この時期のことは大まかな流れは知られているのですが、各勢力に地元の弱小な緒勢力がどのように動いたのかはあまりわからなかったような気がします。
この本は専門家の平山優氏が長年の研究をまとめたものとのことです。
本書は武田勝頼の武田家衰退期からはじまり、武田家滅亡の原因についても言及されています。あれだけ広大な地域に勢力を誇った武田家滅亡の原因に天変地異と信長の世論操作があったということを読むとなるほどなと思います。
そして滅亡から織田家統治時代。本能寺の変まで3ヶ月無いと聞くと情報が少ないのもわかりますが、それでもここまで情報をまとめてあるのは凄いです。よくわかりました。
そして本題の3勢力が入り乱れた時期ですが。いろいろな勢力があっちについたり、こっちについたり泥々していて興味深い。その中で武田旧臣団がいかに徳川家に組していくか。そして八ケ岳山麓から甲府盆地中心部にかけてまで広い範囲での北条家と徳川家の対峙。戦力差を考えれば北条家が劣勢になるとは考えにくいのですが、それを武田旧臣団の活躍に支えられた徳川家が挽回していくのは読んでいて爽快です。ひとつ残念に思うのがこの武田旧臣団が勝頼の元でまとまることができれば、織田家の侵攻もゲリラ戦ではねかえすことができたのではないかと思います。ほんと調略って大事ですね。
そして人気の真田家の動向も詳しく書かれており、その後の秀吉による北条征伐のきっかけとなる出来事まで詳しく書かれています。
この本に対して別の方面というか、個人的な視点から考えると、また別の味わいがあります。
私の先祖も今は亡き祖父から八ケ岳山麓の豪農であったと聞いています。本当かどうかはわかりませんが…。
うちにある古文書の中に家康の花押があるものがあったと祖父から聞いているのですが、古文書は経年劣化で開けず。そして詳細わからずという次第になっております。
でもこの本を読みながら、どこかで活躍したのかなぁと妄想すると楽しいです。
とはいえ、うちの家系に関するような記述は見あたらず、それに有力な武士団などであればその後の徳川家への仕官や八王子千人同心組などで甲斐を離れていたと考えるのが普通なので、残念ながらそれほどの勢力ではなさそうです。
もしも当家に伝わる花押入りのなんとやらがあるとすれば、それはこの時期に家康が乱発した所領安堵の書状の一つだったと考えると辻褄があいます。
と言うわけで、読後は頭の中のピースがかっちりはまったさわやかな気分になれた本でした。山梨県人なら、武田家テーマの時代小説なんかよりずっと必読書でしょう。一読をおすすめします。

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